厚生労働省は、全国で生活保護を受けている人が昨年11月時点で216万4857人となり、過去最多となったと発表しました。生活保護受給者数過去最多を記録した前月より519人増え、過去最多を2カ月連続で更新したかたちとなりました。これにともない、生活保護受給世帯数も前月比867世帯増の159万5596世帯で、過去最多になりました。

内容を見てみると、勤労世代の生活保護受給者数は就労などで生活保護を抜け出し減少していますが、高齢受給者の増加がそれを上回り、結果、生活保護受給者数全体を押し上げているかっこうになっています。世帯数に注目してみると、65歳以上の高齢者世帯が、生活保護受給世帯の45%という大きな割合を占めています。この高齢受給者増は、高齢になった親の面倒を子供が見るという、日本に古くからあったスタイルが崩れてきていることを示しているのではないでしょうか。

本来ならば、高齢者を支えていくはずの勤労世代は、就業スタイルの変化などで低賃金の問題に直面し、不景気により大きな社会不安の中にいます。働いて得た収入は社会保険料や税金といった名目で徴収され、手元にくる割合が減少しています。そこにまた、消費税の増税。このように、勤労世代はかつてない余裕のない状態に陥っています。

ちょっと高い所得があっても、高額所得者からは多くの税金や社会保障料をとの考えにより、多くの負担を強いられるので、やはり余裕は生まれにくいのが現実です。高齢受給者が増えている背景には、年金だけでは生活できないという現実も一因しています。年金の受給額は、掛け金を払っていたころの収入などに影響を受けますので、すべての人が年金で生活できないという状況に陥るわけではありません。

また、年金が生活費に及ばない人でも、生活していけるだけの貯蓄をしてきた人もいるので、受け取り年金額と生活保護受給に大きな相関関係はありません。生活保護は、国民が支払った社会保障費などから支出されています。   生活保護受給者が増え、社会を圧迫することは避けなければなりません。勤労世代は、就労により生活保護を脱出できますが、高齢者が生活保護を脱出するのはなかなか難しいのかもしれません。

望ましい社会を作るためには女性の社会進出が欠かせないといわれてきましたが、高齢者も社会から遠ざかるのではなく、どんどん社会進出するべきときが来ているのではないでしょうか。高齢受給者が増えている今、高齢受給者がどうしたら生活保護を脱出できるのか、真剣に考える必要がありそうです。