年も明け、もうすぐ国会では予算の話が具体性を帯びてくるはずである。予算の内訳を見てみるとその社会保障関係費の多いこと。国家予算の約1/3も占めている。しかし、実際、生活をしていると、医療費や介護費用など支出がかさみ、もっと保障を手厚くしてくれないかなと考えてしまうこともあるのではないだろうか。その社会保障に関する生活保護のニュースが入ってきた。

厚生労働省の発表によると、全国で生活保護を受けている人の数が昨年10月時点で216万4000人(前月比4500人増)となり、過去最多を記録したという。また、生活保護を受給している世帯も159万5000世帯となり、過去最多となった。中でも65歳以上の高齢者世帯が71万9000世帯と全体の45%を占めているのがポイントである。

厚労省では、低年金や無年金で生活保護に頼る高齢者が増えていると分析している。ただ、生活保護の受給者数の推移をみると、過去最多を記録したといっても、急激に増加したわけではない。生活保護受給者増加はここしばらくの傾向であった。このニュースから見て取れるのは、年金問題に起因する高齢者世帯の需給が増えていることから、今後も生活保護受給者数の増加傾向が続くのではないかということである。

高齢化が進み団塊の世代が続々と退職を迎えている。その人たちに生活していけるだけの年金があればよいのだが、低年金の人も少なからずいることだろう。生活保護予備軍になりかねない。生活保護は先にあげた社会保障関連費の一部にすぎない。社会保障関連費全体から見れば、額としてはそれほど多くない。

しかし、このニュースを見逃せないのは全体からみれば高額とはいえなくても、私たちの税金から支払われているお金には代わりがないからである。生活保護受給者が増えれば、生活保護費の増加につながる。その分の予算をどこから持ってくるのか・・・年金同様、支える方にも限界がある。生活保護は受給開始から半年を過ぎると、廃止になる率が極端に減るといわれている。生活保護受給者に対するサポート体制や、生活保護で十分生活できるから働かないという問題など、生活保護制度がかかえる問題は少なくない。全体数から見れば極わずかではあるが、かつて話題になった不正受給の問題もある。

万が一、生活が厳しくなっても生活保護があるという安心感は大切だが、生活保護に頼り切るような風潮ができては社会を根本から揺るがす事態ともなりかねない。例えば、受取額が期待できないと国民年金を払わない人が、老後の生活保護を期待するようでは困るのだ。   だからといって、困っている人を見捨てろといえないのが日本人の情というもの・・・頭の痛い問題である。