2014年3月、厚生労働省は2014年度の診療報酬改定を告示しました。

内容を見てみると、ポイントは「医療費の抑制」にあるようです。といっても、医療費がかかる高齢者はますます増えることが予想されるので、医療費を抑制するというより、医療費の伸びをできる限り抑えるといったほうが正しいように感じます。

メディアなどで大きく取り上げられているのは2つ。まずは、重症患者向け病床の削減です。

7病床につき看護士1名を必要とし、入院基本料が改定前で1万5660円と病床の中でも特にコストがかかるところです。

もちろん重症で必要としているケースはあるのですが、軽症にもかかわらず使用しているケースがあり、問題となっていたものです。

改定では、重症と判断するための要件を厳格にし、軽症者への使用を避けるようにするのがねらいです。

また、重症患者向け病床のため、看護士不足を招いている病院を減らすことができるという見方もあります。

ただ、重症患者向け病床を減らすということは、軽症者向け病床に切り替え入院料が安くなった分、患者が集まればよいのですが、単純に減収につながってしまうと病院経営を圧迫してしまいます。

そのため、重症患者向け病床を減らすことによる医療費の抑制は、病院の協力が必要不可欠です。

もう一つ、話題になっているのは在宅医療に関する報酬の一部大幅削減です。

今回の改訂は基本的に在宅医療を担う診療所などに手厚い内容となっていますが、高齢者施設に出向き、一度の訪問で多くの患者を診療することで、医師がいわゆる「荒稼ぎ」をすることを防止する方向になっています。

これまで、サービス付高齢者向け住宅などに適用されてきた在宅時医学総合管理料は、5万円から一気に1万2000円に引き下げとなり、従来のわずか4分の1になります。

利用者からすると、負担が減り歓迎されるように見えますが、必ずしもそうとは限らない現実が見え、不安を抱いている人も少なくありません。

この改定による影響が大きく、収入が減ってしまう診療所の中には、高齢者施設への訪問診療をやめてしまうところが出てくる恐れもあります。

すると、高齢者施設の入居者は、定期的な医師の診察が受けられると聞いて入居したのに・・・ということになってしまいます。

結局、しわ寄せが来るのは市民、とならないことを願うばかりです。

4月からの医療費窓口負担増に加えて、今回の改訂はこれまで訪問診療を受けていた人や健康に不安がある高齢者をさらに不安にしかねません。

改定の思惑通り、コストがかかる過剰な医療の廃止だけにとどまればよいのですが、改定後、市民や医療の現場はどのように感じるのでしょうか。